
本当に素敵ないい映画ですよ。
私は映画館で胸をあつくしたひとりなので、この映画が日本であまりヒットしなかったとは知りませんでした。イタリアの自転車チーム「チンザノ」に憧れて自転車レースに出る夢をもつ主人公(風呂場でカンツォーネを歌いながらスネ毛をそるシーンがカワイイ)とそれをとりまく人々とのハートウォーミングなコメディ。でありながら、目標を見失っている若者が、人生を立て直していく話。でありながら、若い男の子たちの真の友情もあり、粋なラブストーリーもあり、ガッツがためされる場面もあり。語り尽くせないほど愛すべき作品だと思います。この当時、主演のデニス・クリストファーはアイドルみたいな俳優でした。

さわやかな共感を呼ぶ奇跡的傑作
邦題「ヤング・ゼネレーション」。1979年の米国アカデミー賞で作品賞など4部門にノミネート、みごと脚本賞を受賞した作品だった割には、日本では評価も興行面でもほとんど無視された映画だ。英国出身で「ブリット」などの鬼才、ピーター・イェーツが監督。ジャケットを見るとスポ・コンものに勘違いされそうだが、そうではない。かつて石材加工が盛んでいまは大学城下町となっている地方の街を舞台に、高校を卒業したばかりでぶらぶらと鬱屈した人生を歩む4人組のそれぞれの生き方や大学生たちとの葛藤を描いている、というシチュエーションを聞けば、勘のいい人はマット・デイモンの秀作「グッド・ウィル・ハンティング」に影響を与えた映画だということがわかるだろう。中心となるデニス・クリストファー演じる主人公は自転車競技のイタリアチームの熱烈なファンという設定で、自身もトレーニングは欠かさない。ここが一つの人生の突破口となる。途中、失恋や憧れの対象からの裏切りという辛い経験を経て成長していく一コマにさらりと触れ、かつて石材加工工場で働き今は中古自動車店を営んでいる主人公の父親との関係もしっかり描き込んで終盤のさわやかな共感を呼ぶ自転車競技の盛り上げ場面に結びつけていく手法が素晴しい。映画は製作費など掛けなくてもこんなにいい作品が作れるのだということがわかる、正に奇跡的傑作だ。