
ベトナム後の真実
邦題「ドッグ・ソルジャー」。英国の奇才カレル・ライス(「土曜の夜と日曜の朝」「裸足のイサドラ」等)が平凡なアクション映画を撮った、と批評家筋からは公開当時総スカンを食った作品。しかしこれは、この映画が作られた70年代末からわずか数年前の時代のことを描いたわりには、極めて透徹した視線で米国社会を見つめているユニークなアクション・ドラマの傑作というほかはない。何より「米国はベトナムを経てドラッグが残った」という巨視的なとらえ方が今見ても鋭い。戦友から頼まれた危険な仕事に、映画デビューしたてのノルティがひと肌脱ぐ話だが、男の意地で仕事をやり抜く主人公の心意気で一気に最後まで見せるところはアクション映画そのもの。しかし途中、友人の夫人が神経的にまいってドラッグにおぼれるエピソードなどの数々が通常のアクション映画にはないリアリティを添える。山間部での人質戦は、古典映画の数々の名場面を彷彿とさせるスリル場面。終盤のサーチライトを使った銃撃戦は新機軸だった。CCRの数々のヒット曲も雰囲気にピッタリマッチした。DVD化を乞う(米国Rー1は発売済み)。