
ストーリーは並。但し、映像で星五つ。
スクリーン上に「ノルマンディ上陸作戦」を再現した一見の価値ありの映画。
前半の銃撃戦と実際の戦場とを比較したら、最早映画に足りないのは「血の臭い」くらいであろう。
ただ、前半の衝撃が強すぎて中盤が中だるみし、後半の印象が「ぼやけてしまう」のが困りもの。
息子を次々と亡くした母親のために、最後の息子を最前線から呼び戻す任務・・・なんて有り得ない。
実際に命令を受けた兵士たちがぼやくのも無理からぬことで、余計な犠牲を増やすのは目に見えている。
しかもその無謀な作戦をたった8人で最終的には成功(?)させているってのも・・・(汗)。
映像としては最もリアルな戦争映画とは思うが、ストーリー的には凡作。
しかしそれでも映画館のスクリーンで目の当たりにした映像の衝撃は今でも特筆のものであるのは事実。

大作!
戦争映画はあまり見ないのですが、この作品はとても好きです。まず冒頭の30分はほんと恐怖というか、あまりのリアルさに若干目を伏せながら見ていました。実際あの現場にいた人がこの映像を見て悪夢を見た、というのですから、本当によく再現できているのでしょう。ストーリーもよく、ただ一人の二等兵ライアンを救出すべく編成された8人の兵士達が、それぞれがその任務に戸惑いつつも、遂行するというものです。とてもヒューマニティーに描かれています。そして戦争の不条理さを物語っていると思います。最後のミラー大尉ことトムハンクスのシーンは感動しました、あとライベン二等兵とミラー大尉のやり取り(口論になるとこ)のシーンも好きです。

戦争映画の革命的作品
この作品以降、ヒットする戦争映画では兵士が美化されることになった。あえて、否定的な面をかいつまんで意見を述べるが、「リアルな戦闘シーン」と「戦争の悲惨さ・狂気」は別物です。人が人で無くなる、というのが戦争の狂気だが、冒頭の上陸作戦はたった何時間かの出来事で、アドレナリンが放出していて当事者は恐怖を(それほど)感じていないし、人間性を失ってはいない。悲惨さを語るならベトナム戦争モノの足元にも及ばない。
また、「一人の兵士の命と5人の部下の命」という作品の主題だが、テーマがあまりにもハッキリとしすぎている。陸上自衛隊の教育隊でこの作品を見せる部隊もあるようだが、指揮官としての苦渋の選択を迫られる、という点では「プラトーン」のバーンズ曹長に及ばない。
「オヤジに渡す手紙に血がついちまった」、、、死んでいく部下達や主人公側をあまりにもカッコよく描こうとしすぎ。偽善です。この作品で戦争の悲惨さを学ぼうとするのは危険です

オタムチ
前半に於ける驚愕の戦闘シーンで観客の集中力を一気に映画へと向けさせるスピルバーグの手法は、この映画で頂点をを極めたといっても過言ではない。
しかし圧倒的なのは前半ではなく、後半の戦闘シーン。戦車とはかくも強いものなのか。
助けた敵兵に裏切られ、撃たれ、刺され、死んで行く隊員たち。
たった一人の敵を生かしたことでほぼ全滅の憂き目に会い、一方でたった一人を助け出したことにより、死んだ隊員とほぼ同数の子孫を得ることが出来た現実。
生かすということと殺すということを考えさせられる映画。

スピールバーグの円熟
最初の1巻めのフィルムに収められたノルマンディーの戦闘シーンを見て、スピールバーグの完全主義はコッポラ並になったと感じた。映像とドルビー・サウンドのバランスも良い。Dデイは全米的な行事であり、その意義を改めて知らせる意義は大きい。国民と戦争の不条理、二人以上の戦死者を出した家族の救済。アメリカが関わる戦争の原点を描き出していて興味深い。