
昨日,監督の佐藤真さんの訃報を知りました
繊細にして生活感に満ちたこのような映画を綴り続けるのには
どれほどの気持ちの張りを要し,相反する繊細さと図太さを求められるのか・・・
監督の処女作にして代表作となった本作を
レンタルなどで気軽にみられる日が来ることを望みます
合掌

ドキュメンタリー映像の<力>
福島県に端を発し、新潟県の北部で日本海に流れ込む阿賀野川。かつては、舟運の要地として、また、淡水漁業や水田などで人々の暮らしを支えてきた。昭和電工鹿瀬工場がメチル水銀を垂れ流し、川に依存する人の健康と生活を破壊するまでは。
映画に出てくる多くの人は、新潟水俣病の未認定患者である。互いに痛む体をいたわりあいながら農作業や餅つきなどをする。何百もの川舟を造った舟大工は、自分が作った舟のために多くの犠牲者が出たことの痛みを抱えて生きている。そのような人たちの暮らしが、美しい四季の風景とともに、淡々と映し出される。カメラをほとんど意識していないような自然な姿をとらえるまでに、どれぐらいの交流があったのだろうか。その交流は、もう一度サケ漁をやってみようとする意欲を引き起こした。また、舟大工が「弟子」を育てる気になったのも、撮影スタッフとの交流があったからではないだろうか。そのように思えるのだ。
単なる「現実の姿を写した記録映画」ではない。撮影を通して、もう一度人と河とのきれた関係をつむぎ直そうとしているのだ。感動と言う他はない。
ちなみに、この作品はDVD化されている。『水俣病公式確認50周年記念公害の原点水俣から学ぶ』という17巻セットの中に組み込まれているのだが、セット販売だけでなくばら売りをして欲しい、と切に願う。

同じくDVD再発売を声を大にして希望!
単館系の劇場で見逃してしまうと、DVDはおろかVHSでもなかなか在庫がなく、結局観ることへの意欲が削がれ、いつしか諦めてしまっていた佐藤真氏の作品。最近になって、エドワード・サイード氏の著作「OUTOFPLACE」を本屋で見かけ手に取り読んでみた。そして、またどうしても、佐藤真氏の作品が観たくてたまらなくなっていた。どうかこの一点の隙もないほどのリアリティを映像として映し出す貴重な作品の数々をフルデジタルHDDVDでも構わないから発売して欲しいんです。

DVDで再発売希望!
日本の農村を描いたドキュメントの傑作です。
阿賀野川流域の村にスタッフが三年間住み込み、
その土地の日常を淡々と描いていく。
じいちゃんばあちゃんがカメラを意識しているのかしていないのか、
ただ撮影されることを怖がってはいない空気が自然で、
田舎に帰って年寄りとお茶を飲んでいる気分にさせてくれる映画です。
公開時期は台湾のホウ・シャオシェン監督が知れ渡ってきたころで、
フィクションとノンフィクションとの違いを超えて肌触りがとても似ていました。
採算に乗るのは難しいとは思いますが、
日本映画の財産として残して欲しい作品ですね。